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| コム・オンボのセベク神殿 |
コム・オンボのコムとはアラビア語で丘。オンボはこの地名がオンボスということで、オンボスのところにある小高いところということです。
ナイル川はここでも曲がっている。西に突き出していて中州ができる。その中州の上に堆積された砂の上に神殿を作ったんですね。見ていただくとお分かりと思いますが、実は普通の神殿と違って入り口が二つに分かれています。二重構造になってるんですね。片方はセベク神というワニの神様。もう片方はホルスのもう一つの名前、パエリスというハヤブサの神様。この2つを主人公にした二重構造になっているのが特徴とする、非常に珍しい構造です。
セベク神とはワニなんですね。ワニを主たる神としているのは砂漠とか、ナイル川の上流、ワニがたくさんいるところです。そしてこのコム・オンボとかファイユーム。ファイユームは内陸湖でワニがたくさんいますから、ここはワニを主たる神様にしてたんです。
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ワニのミイラ (コム・オンボ、セベク神殿) |
ワニはとても恐ろしい動物ですよね。それがナイル川にはたくさんいて、昼間は砂浜で寝そべっているのですが、夜になるとすーっと湖に入ってきて動物を食べます。そんなところにのこのこいくと食べられちゃう。古代エジプト人はワニが怖くて仕方がない。危害にあいますから。
棒で叩いたり槍で突いたりしてつかまえます。捕まえても捨てるわけにはいかない。そこで人間に恨みを持って仕返しされたり、ワニの霊が人間を襲ったりということがないように、捕らえたワニをミイラにしたんですね。ミイラになったワニが、ここにはもう100体近くもあるんです。
もう少し奥にいったところには正面玄関というか、塔門があるんですが、そこにハトホルの小神殿というのがあり、そこにはワニのミイラが今でも何十体となく積んであります。ミイラにしたワニを入れた木のお棺まであります。それはすごいです。ワニがいかに古代エジプト人に恐れられ、神として奉ることによって危害を少なくしようとした、古代エジプト人の思いを、ハトホルの小神殿で感じることができるでしょう。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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