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| エル=カブの遺跡 |
エル=カブというところはわりと目立たないというか、皆さんがすっと通っちゃうような所です。写真を見ていただくとわかりますけど町の方から東に向いた一帯が墓地で、なおかつ、ナイル川を隔てた西側の町がギリシャ時代にヒエラコンポリスと呼ばれた古代エジプト発祥の地。非常に重要な町です。
今から5000年ほど前、エジプトが統一されるかされないかという時に力を持っていた町なんですね。そのちょうど対岸のところ、こちら側がその後上エジプトのノモスの第3ノモスというところの首都になりました。そしてここの守護神がネクベトという、ハゲワシなんです。
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エジプトの王家の印として、王家がかぶっているもの、例えばツタンカーメンの黄金のマスクもそうですが、ハゲワシとコブラがついています。 ハゲワシがネクベトという女神です。コブラはワジェトという神様です。我々はウラエウス、聖なるヘビと呼んでいますが、この2つがついているのです。 これは上エジプトと下エジプトを支配しているぞという意味です。ネクベトは上エジプトで白い冠を、ワジェトは下エジプトなので赤い冠をかぶっています。その両方の冠、複合冠をかぶっているのをファラオと呼んでいるのですが、この地域、すなわち墓地にはアメンヘテプ3世が小さなキオスクを作っていまして、これが一番有名ですね。
アメンヘテプ3世というのはネクベトが大好きでマルカタ王宮の自分の寝所の天井にネクベト女神の絵をずっと描きました。羽を広げたハゲワシが天井に描かれることで、自分がネクベト女神に守られているようなイメージをもったんでしょうね。
ネクベトという女神はホルス、すなわち古代王朝時代の王の化身です。そのホルスと非常に関係が強いんです。ですからナイル川を隔てた両側、すなわち西岸と東岸、ホルス神を主たる神とするネチンと、ネクベトを主たる神とするエル=カブが位置しているということは、そういう意味があるんです。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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