この写真はアメン神の妻、ムト神の神殿です。ムト神は独立して神殿を持っているですね。
カルナク神殿の中のメインのアメン大神殿のちょうど南の東側です。聖なる池より1キロぐらい南にいったところにあるのですが、ちゃんと池を独立して持っている神殿なのです。
古代エジプトではファラオと第1王妃(正妃)といわれる人は一緒に住んでいません。それぞれ別々にちゃんとお館をもっています。これと同じように神様も王たる神様とその妻は別々に持っています。夫婦が別々の神殿を持っているのですから、当然、息子のコンスも別の神殿を持っています。 |
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ムト所神像
(カイロエジプト博物館蔵) |
アメンだとか、コンス、ムト、メンチュ、ラー…。神様の名前が多くてやんなっちゃうと思うでしょうね。古代エジプトをやるときには少なくとも20ぐらいは神様を覚えた方がいいですけど、その中でもアメンという神様は絶対に不可欠です。アメン神の妻であるムト、このムト神というのは非常に強い神様です。大体、アメンとは『寄り添う者』というような意味で、もっともっと自分の自己主張のない神様。だから強いんです。誰とでもくっついちゃう。ですから妻のムト女神が強いとアメンはムトとくっつくのです。もともと夫婦ですから。ムトの虎の威を借りるわけではないけれど、こうして強くなった。ムトは戦う女神でして、セクメトというメスライオンの神、戦う神と同一化されている神様です。
この二人の間にできた子供がコンスです。月を表わす神様。太陽に対して月、ということです。真ん中にアメン神、向かって左がムト女神、右がコンス神。三神一体となって彫刻やレリーフになっています。人々(王様や神官も含めたすべての神様)の礼拝はこの三神が一体となっているわけです。このグループとは別にメンチュという、ワセト(今のルクソール)を支配した神様がいます。この神様の神殿というのはずっと北側にありますけど、これも健在です。古代エジプトでは、ある神様のために他の神様を消したり、神殿を壊したりしてはならないということになってますんで、この四神が一体の中に並立してみんな仲良く暮らしていたということです。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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