皆さんご存じですよね。フンコロガシです。古代エジプトの神様の名前でいうと『ケプリ』とか『ケプル』といって、再生復活という意味なんです。
『ケプリ神』とか、『メンケプルゥラー』という王様の名前になっています。
ケプルゥラーといいますと、ラーが再生復活する。ケプルゥーと複数になると何度も何度も再生復活する。というわけです。
なぜ、ウンチを運ぶ虫が再生復活を担ってるか、背負っているかというと、おもしろい話がありましてね、春になるとスカラベが転がしているウンチの中から幼虫が出てきますよね。その様を見て、新しい生命が出てくる!と考えたのです。これこそスカラベの再生復活の意味なんです。ナイル川が氾濫し、水が引くと、それまでずっと川の底にあった緑地や耕作地が現れます。そうするとそこからごそごそっとフンコロガシが出てくるんです。いかにも土地が復活した。さあこれから穀物をつくるぞ!という気にさせるんですね。今年も豊作だ、万歳!という感じでしょうか。ここにも再生復活の意味がありますね。 |
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太陽に見たてられたスカラベ (王家の谷、ツタンカーメン王墓玄室の西壁) |
それから、フンを転がしていますよね。私の見たものはソフトボールの球ぐらいの大きさでしたが、それを足で蹴って転がしていくんです。この球状のフンを太陽だと考えたんですね。ということは地平線から太陽が昇っていくのはスカラベが後ろ足で蹴り上げたからということです。太陽が毎朝復活し、西の地平線で毎日終焉する。復活と終焉です。ですからスカラベはすごく大事なんです。
このスカラベは『周りをぐるぐる回るときっといいことがありますよ』ということで、観光客にすごく人気です。7回まわるのが普通のようです。この7回というのはイスラム教のメッカのカアバ神殿を回る回数と同じです。日本でもお七夜というのがありますよね。7という数字はとても縁起のいい数字なんですね。くるくる回ってぱっと座ると幸運になるといって、喜んで、一歩行ったところで怪我した人がいますんで気をつけたほうがいいですよ。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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