| 第4回 |
「イブン・トゥルーン・モスク」 |
2/25〜 |
イブン・トゥルーン・モスクのミナレットはなかなかのものです。普通、モスク建築というのは、真ん中に礼拝室があって、その上はドームになっているんですね。下を広く取るためです。このモスクのドームのところは沐浴をするところ、水で清めるところです。全体の真四角のところは平屋根で、1万人ぐらい入れるんです。今でも使われています。
アムル・モスクはもう建て替えていますので、元のモスクの形は土台しかありません。しかし、このモスクは9世紀から直し直し使ってきましたので、現存するモスクとして最古のものとなります。
イブン・トゥルーンという人は本名は「アハマド・イブン・トゥルーン」といいまして、今のイラクの方から入ってきた人です。エジプトには9世紀に入ってきてエジプトを支配し、モスクを造ってエジプトを治めたわけなんですけど、このミナレットはイランのサマウナというところにあったモスクですから、イラン様式です。 |
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イブン・トゥルーン・モスクのミナレット
(カイロ) |
普通のミナレットは中にらせん階段があって上がっていく。10〜15mぐらいですかね。しかし、ここのミナレットはらせん階段が外に出ているんです。意表をつくデザインです。一番上に行ってイマーム、日本語でいう導師が「さあ、お祈りの時間が来たぞ…。今日1日生きてこられたのも神様のおかげ。神様に感謝して、明日も1日過ごせるように神様にお願いしよう」などということを言うんですね。
しかし一方では、人は生まれたときに寿命も地位も収入も(お金持ちになるかどうかというようなこと)が決められているという、運命論もあるんです。相矛盾しているものが同居している、実存的というか実際的な生き方がおもしろいですね。
イスラム教というのは、どうやって生活し、どうやって人生を送り、どうやって幸せに死ねるかということをえんえんと解いている生活的な宗教です。ここのすぐ裏にイスラム博物館というのがありまして、エジプトにおけるイスラムの約1400年の歴史がわかるようになっています。
ここは大変いい地域で、私も何度か行きましたが、観光客がほとんど来ませんから、金曜日以外は静かできちんとした所です。カイロに行かれたら、ぜひこのイブン・トゥルーン・モスクに行ってみて下さい。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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