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センウセレト3世像頭部 (カイロ、エジプト博物館蔵) |
カルーン湖はもともとはナイル川の一部だったんですね。全体の乾燥でナイルの川幅が狭くなったために取り残された、内陸湖です。ところが中王国時代にどんどん煮詰まってきて、淡水湖だったのが塩水湖になり、塩分が高くなると魚がいられなくなりということで、センウセレト3世がナイル川とカルーン湖をつないで水を供給したんです。それが今でも続いているということなんですね。
ナイル川の神様であるセベクというワニの神様が、カルーン湖のシンボルというか主たる神様です。ワニは今はいません。アスワン・ハイダムができて、下流にはワニ、カバといった類の動物は一切いなくなったのですが、古代エジプトにはワニとかカバがたくさんいました。ワニ狩りとかカバ狩りの図というのがいっぱいあります。 |
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灌漑のための小川を 農地に配分するための水車 |
もうひとつ、ファイユームのシンボルはカルーン湖に流れ込む水。カルーン湖から灌漑のために流れこんでいるのですが、その小川の水を農地に配分するための水車があるんです。ファイユームのシンボル、街の印はこの水車なんです。
家族でカイロから自動車でファイユームに行って、カルーン湖のところに簡単なビーチパラソルみたいのや椅子をおいて、バーベキューをしたりして1日を過ごすわけですが、その周りに先史時代から古王国時代、プトレマイオス王朝時代までの遺跡が簡単に手に入るのです。昔、カイロの骨董屋がそこに仕入れに行っていたほどで、私は教材用に買いに行っていました。
一番笑うのはローマンランプという、今から2000年ぐらい前の土製のランプ、アラジンの魔法のランプみたいなのがあるんですが、これをカルーン湖の水でちょちょっと洗って灰皿に使っている。我々考古学者から見たらそいつの首を絞めたいぐらい、無礼なことをやってる人がいたり、土器なんかもシチューを食べるのに使っている。もともと古代エジプトの人も食事に使ってたんでしょうから、今の人がシチュー食べていけないという理由はないんですが、なんかちょっともったいないような感じがしますよね。ファイユームにいますと、古代だか現代だかわからないような感覚、そして農家の人が多くて、短パンといった農作業着かなんかを着て「お!」なんて言って寄ってきて、人懐こいのでとっても楽しい所です。 |
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在サイバー大学学長。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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