Q1:ピラミッドの内部構造は石を積み上げながら同時進行で作ったものでしょうか、それとも出来上がったあとに作ったのでしょうか。
実は古代エジプトでは指揮をしている人が中に入って作っていきました。そうでなければあんなに整然とできません。ですから、あとから掘ったのではありません。あとから掘ったのはすべて泥棒の穴と考えてください。
まずこの質問の前提となっている、「古王国時代をピークにナイル川の水量が低下していった」ということが間違っています。ナイル川の水量が徐々に下がっていったとか、水位が下がったということはありません。この3000年間に気候変動が結構あります。気温が高くなって雨がたくさん降った時があれば、寒冷化して雨が降らなくなった時期もありました。こういうのが1000年おきぐらいに繰り返しきています。もし、ずっと減ってきたら3000年や5000年も経った今、水がなくなってしまいますよね。ですから、そういうことはまずないんです。 ピラミッドが建造されなくなったことについてはいくつかの要因があります。ナイル川の水位が低下して石が運べなくなったという考え方もあります。確かに石を対岸から運んできた時代もありますけど、その周りの石を積み上げたことも多々ありますので川の水位の低下というのは余り関係ないんですね。むしろ王権の力によってピラミッドを作るとか、作らないとか。また大きいものを作るか、小さいものを作るのかということがおきてきます。もうひとつ非常に重要なのは、ピラミッドより他のものの方がいいのではという、時代のトレンドですね。ピラミッドがはやったり、中王国時代では運河のような実用的なものであったり、新王国時代では神殿の方がよかったりと、価値観の問題がありました。 また、王権の神聖化。王はずっと神聖ですが、その神聖に対する人々の合意というのもかかわりがありました。民の力が強くなると王の力が弱くなる。王の力が強くなると民の力が弱くなる。といったようなことですね。 ですから、ナイル川の水位をはじめとした「自然」はあまり関係はなかったと考えてください。