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イシス女神
(ルクソール西岸・ホルエムヘプ王墓) |
ホルスとセトというのは、大変重要な神様です。 第一王朝と第二王朝を初期王朝といいますが、この時にエジプトが統一されました。(といっても上エジプトのヒエロコンポリスから出てきたナルメル王が下エジプトを統一してふたつの地域をひとつにしたということなんですが。)このころのピラミッド・テキストを読んでみますとこの世に人間はいませんでした。神様が、神様の代表として4人の神様、一番年上のオシリス、次がイシス、それからセト、ネプテュスをこの世に送り込んで、うまくエジプトを統一してもらおうとしたのです。しかしうまくいかなかった。セトがオシリスを殺してしまったのです。1回目はイシスがすぐに助けて生き返らせるのですが、2回目には、死体をひとつにしておくととまたすぐに生き返るからと、セトはバラバラに切り刻んでエジプト中に撒いてしまうんです。それを妻であるイシスはひとつひとつを探し歩いて最終的に縫い合わせてアトゥームというこの世全体を仕切っている神の中の神に頼んで息を吹き返させようとしたんです。しかしセトはオシリスの体を切り刻んだ時にペニスをナイル川に捨ててしまっていたんですね。そしてナイル川に住んでいたナマズ(後にオシリンコスという名前になる)に食べられてしまっていたんです。そこでオシリスはペニスなしの男神としてこの世に生き返ったのです。
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ホルス神
(ルクソール西岸・ホルエムヘプ王墓) |
その後イシスは身ごもり、ホルスが生まれ、ホルスを後継ぎにしようとしたとき、セトがおかしいじゃないか、といい始めた。ペニスがないのにどうして子供が生まれるのだ。このホルスはイシスの不倫の子だ。というわけです。こうしてすったもんだするわけですが、それが第二王朝の末期のことでした。
最終的にイシスは、自分が身ごもったのは男神・女神の関係によるものではなく、神である自分が望むことによって身ごもることができたのだといって、あらゆる神が納得し、ホルスがこの世の王、オシリスがあの世の王ということでイシスの系統が全てを取り返した。これが第三王朝の成立となったのです。
そのホルスとしてこの世に現われた王こそまさしくジェセル王なんですね。
ホルスとセトの戦いをきちんと知らないと、第三王朝のジェセル王がなぜあんなに偉大な力を持っていたかがわからないのです。
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●1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在早稲田大学客員教授(工学博士)。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!
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