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吉村作治 エジプト博物館
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第4回 「彫刻にみる古代エジプト人の生活」 5/24〜
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「貴族・メレルカ像」
(サッカラ・メレルカのマスタバ)
 「彫刻からみたエジプト」、最後は「古代エジプト人の生活」です。
ファラオ、神、と話をしてきましたが、貴族、将軍、医者といった人たちも彫刻を作っていました。
なぜ作っていたのかというと、古代エジプトでは、死ぬと肉体と魂に分かれ、そして魂は魂と霊に分かれ、霊は肉体と共にこの世に残ると考えていました。肉体はミイラにして残し、魂はあの世に行きます。魂は神様の国にいて、一緒に楽しく暮らすわけですが、行ったきりで淋しいですから年に一度この世に戻っていきます。戻ってきた時、ミイラに行くのですが、どのミイラに行ったらいいかわからない。ミイラを管理し、あの世から戻ってきた魂に「あなたのミイラはここにいるよ」と教えてやる霊、精霊が必要なわけです。
精霊は人間がつくった考えですから、神と同じように、見ることはできません。ですから、精霊がいるべき場所として彫刻が必要となってくるわけです。
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「センネフェルと妻セナーイ」
(カイロ・エジプト博物館像)
 彫刻があることにより、精霊がいる。その彫刻と精霊の下にミイラ、つまり肉体がある。この三者が一体となるんですね。日本に限らず、今の葬祭制度では子供も孫も同じ墓に入りますが、古代エジプトではひとつの墓は夫婦だけです。夫婦の片方が死ぬと夫婦の彫像を作って入れておき、やがてもう片方も死ぬと遺体もそこに入れる。すなわちこの世で一緒だった夫婦はあの世でも一緒にいるということになります。
この夫婦があの世で一体どういう生活をするか、ちょっと心配ですね。その心配がないように、自由にあの世に行けるように、お墓の周り、壁面にあの世の絵を描くんです。
絵だけでは削られてしまう、実体感がないということでちょっと彫る。こうしてできたのがレリーフです。レリーフの方がより現実味が出てくる。しかし、レリーフというのは下絵を描いたり、彫ったり大変なんです。古代エジプトでは、人が死んだら70日以内にお墓を完成させなければいけませんから、最初から取りかかっていたところはいいけれど、最後の方はレリーフにできなくて、絵のままでいいやという、アンバランスなところもあるんです。
古代エジプトの人たちの人生は、生きてる時ではありません。生きてる時はむしろただの一部に過ぎず、死んであの世に行って神や先祖と一緒に暮らすため自分たちの彫刻を作っていたということです。
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吉村作治〜私の素顔
吉村作治さんの写真1943年東京生まれ。
幼い頃からエジプトに興味を抱き、1966年に早稲田大学古代エジプト調査隊を組織し発掘を始めました。
ルクソール西岸の『魚の丘』、クルナ村の貴族墓では200体のミイラや未発見貴族墓、クフ王のピラミッド内の第2の『太陽の船』を発見したのは実は私なんですよ。
発掘活動の現状報告などもお話していこうと思っています。
現在早稲田大学客員教授(工学博士)。
本もたくさん書いています。デジタル衛星放送・ヒストリーチャンネル「吉村作治 エジプト博物館」にも出演していますので、こちらをご覧になれば「動く私」に会えますよ!

情報提供: HISTORY CHANNEL
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