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和田秀樹 50歳からの活力人生
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6月 性格は直すのではなく活かしてみましょう 6/17
性格は直すのではなく活かしてみましょう

 前回、不安になることの解消法をご紹介しましたが、「不安になるのは性格だからしかたない」と、あきらめてしまっている方も多いのではないでしょうか。
 たしかに、性格を直すのは簡単なことではありません。無理に直そうとすれば、それによって悪い影響が出かねないものであります。
 かといって、あきらめることはありません。あきらめたのでは、不安を抱えた生活をずっと覚悟しなければならなくなるのです。それではとても、若々しく生きることなど、できるわけがありません。
 そこで、性格を直すのではなく、「活かす」ことを考えてみましょう。マイナス面だと思っていた性格をプラスにできれば、それだけで生活は明るいものになり、生き生きと暮らすことができるようになるのです。
 じつは、この性格を活かすことも、前回紹介した「森田療法」のひとつの考え方なのです。
 不安になりやすい性格として、「心配性」「執着性」「自己内省性」「欲求が強すぎる」といった神経質性格を森田療法ではあげています。どれもプラスだとは思えない性格ばかりですが、それも発想を変えればプラスになりうるのです。

 心配性のプラス面とは

 まずは、「心配性」のプラスの面についてお話しましょう。
 心配性の人は、たとえば、旅行に行くにしても、「旅先で雨に降られたらどうしよう」とか、「飛行機事故に巻きこまれたらどうしよう」といったことばかりが頭に浮かんできて、なかなかウキウキした気持ちになれない人が多いと思います。せっかくの旅行を楽しむこともできず、帰ってきたときには疲れはてているといったことがままあるのではないでしょうか。これでは、若々しく暮らすことは難しくなります。
 しかし、そうした心配性も、じつはプラス面があるのです。
それはこのようになります。たとえば、心配性だからこそ、「先々のことまで考えて準備しておけるのだ」と考える。「雨が降ったらどうしよう」と考えるから、雨具の用意ができる。で、ほんとうに雨が降ったならば、それが大いに役立つことになるのです。
 傘を使う場面がなくても、「やっぱり心配性で損した」と思うから暗い気持ちになるのです。そうではなくて、「使う必要がなくてよかった。天気に恵まれた旅行で楽しかった」と思えばいいだけのことです。
 事故を心配するから、旅行保険をかけておく気にもなる。もしも不幸にして事政に遭ってしまったら、入院費の心配はいらないわけだから、安心していられる。たとえ死ぬようなことになったら、自分としてはあきらめるしかない。死んでしまえば、自分は後悔することもできないが、家族には保険金を残してやれるのだから、「それだけでもマシだった」と思えるようになること。それだけの準備ができるのですから、心配性も悪くはないと考えることです。
 悪いのは、心配するだけで行動しないことなのです。
 心配なら備えをすればいいわけで、それを楽しめるようになれば気分も明るくなるのです。

執着性のいい点とは

 ものごとにこだわりすぎる「執着性」も、「ウジウジしている」といったマイナス面でしか評価されないものです。
 しかし、執着するからこそ、「忍耐強く物事に取りくめる」と考えてみてください。
 忍耐強いのですから、これはマイナス面どころか、プラス面であるといえるでしょう。
 つまり、「こだわりすぎる=ダメ」と思うのでなく、「忍耐力がある=良い」と思えば、性格も明るくなるというものです。
 実際、こういう忍耐強くものごとに取り組むことができる性格の人が、田中耕一さんのようにノーベル賞をとれるのかもしれません。このように考えることによってプラスに大きく評価できるのです。

ついつい「自分のせいだ」と思ってしまう心のプラス面とは

 自分の責任ばかりを気にしてしまう「自己内省性」も、欠点と思えば欠点になってしまいます。
 なにごとについて、うまくいかないと「自分のせいだ」と思うタイプの人です。自分のせいなってしまうのだから、やらないほうがいいと、消極的になってしまうかたもあてはまります。あるいは、自分の身体の不調を気にしすぎるのも、このタイプの性格の人だとされています。
 しかし、この性格は、いろいろなことを反省できるし、考え方を改めることもできる。と、考えることによってプラスになります。つまり、なんでも人のせいにしたり、反省をしない人間より、自分は成功する確率が高いと思うことです。そう思えるようになれは、プラス以外の何ものでもないことがおわかりでしょう。

欲求が強いことのメリットとは

「欲求が強すぎる」のもマイナス面ではありません。欲求が強い人は、ことあるごとに、欲求が強いために、いつもパーフェクトを目指しがちです。そのために満足できないで、それが不安につながっていくわけです。
 しかし、欲求が強いということは、向上心があるということである。と考えてみてはいかがでしょう。欲求があるからこそ、がんばるわけです。がんばることを欠点だとは、だれも思わないはずです。つまり、欲求が強い=頑張ること=プラスだと考えればいいわけです。

 このように、マイナスとしか思えなかった性格も、見方を変えればプラスになってしまうのです。マイナスと考えれば気持ちも暗くなるし、消極的にならざるをえません。しかし、それをプラスの見方に変えれば、気持ちは明るくなるでしょう。そのプラス面を活かそうとすれば、積極的に生きることもできます。積極的に生きることは、それだけで、若々しく生きることに確実につながるのです。

さて、次回は仲間との上手な付き合い方についてお話する予定です。お楽しみに。

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和田秀樹〜私の素顔
和田秀樹さんの写真1960年生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェロー。老年精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。日本初の心理学ビジネスのシンクタンク、ヒデキ・ワダ・インスティテュートを設立し、代表に就任。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。
2004年より企業経営者のための会員サービス「和親の会」を発足。

和田秀樹公式サイト:

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