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和田秀樹 50歳からの活力人生
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4月 「50代は自分達の能力の高さをもっとアピールすべきです」 4/15
みなさんは、頭のいい、おじさん、おばさんなのです

 体力的には衰えを感じ出す五〇代ですが、頭を働かせる知的な能力において、五〇代は若い人に絶対に負けていないのです。むしろ、若い人よりも、計算や漢字熟語が読めるなどの、基礎学力は上であるといえるでしょう。
 その大きな理由は、最近の若者の学力が極端に低下してきていることにあります。そこで、今回は、いまの学力低下の現状をお話ししましょう。
 まず、いまの受験競争は、かなりレベルが低くなってきています。とくに大学受験においては、定員割れで、それこそ名前を書くだけで合格するような大学が、全体の一五パーセントも占めているのが現実なのです。
 そういうなかでの競争は、必然的に、全体的な質の低下を招いています。
 東大で教えている教授の話を聞きますと、昔に比べて、いまの東大生の学力はかなり落ちているそうです。また、それ以上に京大生の学力は低くなっていると京大の教授はいっていますし、早稲田や慶應の落ち方はもっとひどいと聞いてます。つまり下位校ほど学力低下が激しいので、それ以下の大学が、どういう状況か、いうまでもありません。
 少子化で競争相手が少なくなっているうえに、競争そのものへの意欲がなくなってきているのが影響しているようです。
 さらに、「ゆとり教育」といって、公立学校のカリキュラム自体がスカスカで、勉強するような状態になっていないことが学力低下に拍車をかけています。
 この文部科学省の「ゆとり教育」政策は、一昨年話題になりましたが、じつはすでに一九七七 (昭和五二)年と一九八九 (平成元)年に二回もカリキュラムを減らしているのです。昔と比べると小中学校で習う内容は相当減っています。皆さんが子どもの頃に、あたりまえのように習っていた事が教えられていないのが現状です。たとえば、小数点2桁の足し算や3桁以上の掛け算は教えません。それによって、円周率はおよそ3で計算しないといけないのです。これでは、大工さんになって設計図面を書くことさえできなくなってしまうでしょう。また4桁の足し算引き算も教えません。これではタクシーに乗って1万円札でお釣りを貰うときに、いちいち電卓で計算されて時間がかかることになるでしょう。最近、飲食店のレジなどで、「割りカンご遠慮ください」とありますが、これは、学生のアルバイトが極端に計算が弱いため、人数でわったり、一人一人に消費税5パーセントを付ける計算が出来ないから、というのが大きな理由だそうです。
 東大の合格者をみても、昔の名門公立高校出身者の数は極端に減って、私立の中高一貫校とか小学校のころから有名塾に通っていた子どもが圧倒的に多いのです。とりあえず、受験勉強する態勢のなかにいた子だけが勝つ仕組みになってしまっています。つまり、少子化だけでなくても、昔と比べてはるかに少ないライバルのなかから選抜されるようになっているというのが、実情なのです。
 そういった現状と比べて、いまの五〇代が受験生だった時代の競争の激しさを思い浮かべてください。みんなが受験勉強を必死にやっているので、とにかく学力レベルは高かったのです。またがんばる能力もありました。早慶レベルのみならず、日大でも駒大でも、基礎学力レベルや読む本などでは東大とさほど差はなかったのです。それだけ、その時代に受験競争を経験した世代は優秀なのだといえます。また、受験だけではなく、小学校、中学校の教育も、みんな自然とレベルの高い教育を受けてきたのです。

若者信仰の崩壊=中高年は能力の高さをもっとアピールし、どんどん仕事をましょう

 競争のレベルが低いなかで勉強しないで育ってきた若い世代と、競争して勉強してきた世代とを比べれば、どっちが能力的に優秀か歴然としてきます。しかも五〇代には、それまでの豊富な人生経験、社会経験があります。能力があって経験もあれば、若さに負けるはずがありません。
 そのことに、そろそろ企業も、自治体側も気づき始めると私は思っています。いままで企業や自治体が持っていた「若者信仰」みたいなものは、早晩、崩れ去ると思うのです。業績に貢献しない若者を雇うより、業績に貢献する五〇代を残したほうが有利なことを、会社としても認めざるをえなくなるでしょう。近年の分数の計算もできない大学生の学力低下と若者の離職率の高さがそれを暗示しています。つまり、若者達がフリーター化しているのに対して、五〇代は健康で頭も良く、経験豊か。これでリストラにおびえているなんて変な世の中ではないでしょうか。
 世の中を変えるためにも、ご自身の健康を考える上でも、そのためにも、五〇代は自分たちの能力の高さを、もっともっとアピールすべきなのです。
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和田秀樹〜私の素顔
和田秀樹さんの写真1960年生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェロー。老年精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。日本初の心理学ビジネスのシンクタンク、ヒデキ・ワダ・インスティテュートを設立し、代表に就任。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。
2004年より企業経営者のための会員サービス「和親の会」を発足。

和田秀樹公式サイト:

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